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1 相続の基礎知識 (9)配偶者居住権

 被相続人の配偶者の生活を守るため、令和2年4月1日より配偶者居住権が創設されました。

 被相続人の不動産に居住していた配偶者は、遺産分割または遺贈によって、居住していた建物の全部について、無償で使用および収益する権利を得ることができます。

 ① 取得方法

  ・遺贈による場合

文例)被相続人は、妻甲に対して、〇〇の建物につき存続期間を配偶者の終身の間とする配偶者居住権を遺贈する。

・死因贈与による場合

文例)1 贈与者は、〇〇の建物につき存続期間を配偶者の終身の間とする配偶者居住権を、受贈者妻乙に贈与することを約し、乙はこれを受諾した。

2 前項の贈与は、贈与者の死亡によって効力を生じる。

・遺産分割による場合

  文例)被相続人の遺産を次のとおり分割する。

 被相続人の妻丙に対して、〇〇の建物につき存続期間を〇年〇月〇日から20年間とする配偶者居住権を設定する。

② 存続期間

  配偶者の終身の間が原則ですが、遺産分割または遺言で別の定めをすることができます。

③ 使用および収益

配偶者は相続開始前の用法に従い、居住建物全体を使用および収益(賃貸)することができます。また、居住建物の所有者の承諾を得た場合、建物の増改築、第三者に使用収益させることができます。

配偶者居住権を譲渡することはできませんので、施設に入居する予定で入居一時金のため売却を予定するような場合、居住権の設定はできないものと考えられます。

④ 修繕、費用負担

  配偶者は、居住建物の使用収益に必要な修繕をすることができます。

  必要な修繕についての費用は配偶者が負担します。

⑤ 登記

配偶者は、配偶者居住権設定の登記をして、配偶者居住権を第三者に対抗することができます。配偶者が登記することを請求した場合、居住建物の所有者となった相続人は登記を備えさせる義務を負います。

⑥ 配偶者居住権の価額

法律上決まった算定方法はなく、厳密には不動産鑑定による評価によることになりますが、簡易な評価方法を利用することができます。

簡易な評価方法:

 建物と敷地の相続税評価額から配偶者居住権付所有権の建物と敷地の相続税評価額を控除することで算出できます。

 配偶者居住権付建物所有権の評価額:

  建物相続税評価額×(残存耐用年数―居住権存続期間)/残存耐用年数

  ×居住権存続期間に応じたライプニッツ係数

    ※1 残存耐用年数は建物の構造により法律上定められています。

         木造は33年、鉄骨鉄筋コンクリートは70年です。

※2 存続期間が終身の場合、厚生労働省の発表する「完全生命表」に掲げる

   年齢・性別に応じた平均余命となります。

   配偶者居住権付敷地所有権の評価額

    敷地相続税評価額×居住権存続期間に応じたライプニッツ係数

⑦ 消滅

  配偶者の死亡または存続期間の満了により配偶者居住権は消滅します。

この場合に居住権消滅により増加した建物・敷地の評価額については相続税(贈与税)の課税はされないものとされています。

配偶者による放棄によっても消滅します。ただし、放棄により増加した建物・敷地の贈与税の課税がなされるものとされています。

⑧ 利用方法

 ア 配偶者の居住を保障したうえで、預貯金も配分したい場合

 例えば、相続人は妻、長男、二男で、相続財産が不動産(3000万円)、預貯金(2000万円)の場合に妻が不動産を相続する場合、法定相続分(2500万円)を超え、預貯金を取得できないことが考えられます。

 不動産の配偶者居住権が2000万円と評価される場合、妻は居住権のほか預貯金のうち500万円を取得することができるものと考えられます。

 イ 被相続人の家系に家の所有権を承継させたい場合

 例えば、相続人は妻(子はいない)、弟で相続財産が不動産の場合に妻が不動産を相続すると、妻が死亡した場合、妻の兄弟姉妹に不動産は相続されることになります。

 このような二次相続をさけるため、妻に居住権、弟に居住権付所有権を取得させることで被相続人家系に不動産の所有権を承継することができます。

 ハ 節税方法として利用する場合

 居住権と所有権を分けて相続することができ、また配偶者死亡(または存続期間満了)による居住権消滅により増加した不動産の評価は相続税(贈与税)課税の対象とならないことから、一次相続、二次相続の節税手段として利用することが考えられます。

| 相続の基礎知識

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